こんにちは。堀江和真です。ボクは絵を描いたり、作品をつくりながら、毎日を過ごしています。このブログでは、そんな日々で感じた事や起こったことを、のんびり綴っています
さてさて、今日はKくんとの思い出について書いてみたいと思う。彼は大学時代からの友達である。ここ、何年かは疎遠になっており、おそらくこれからも疎遠であろうという友人である。
ボクが大学生だったころ、大学というコミュニティーに積極的に参加しなかった。従って友人も少なく、何をするでもなく、淡々と授業に出て、合間の時間は缶コーヒー片手に、ぼーっとする日々であった。Kくんはそんなボクの話に耳を傾けてくれる数少ない友人の1人であった。彼は、ストリート系のスポーツに熱中し、特定のブランドの洋服を熱心に収集し、教師になるための勉強をしていた。ボクとは全然違ったタイプの人間だったが、何となく馬が合い、社会人になってからも交流は続いた。彼は教師にはならなかったが、仕事をバリバリこなし、会社員から独立をして起業をした。独立した会社が順調であったかはボクは知らないが、会って話していると、彼の口から出てくるのは業界の有名人や、誰もが知っている著名人の話...とにかくボクのいる日常とは少し違った世界のお話を熱心に聴かせてくれた。
ボクは、そんな彼の話に耳を傾けることが好きだった。いつも自信に溢れ、自分の道を突き進んでいるかのような語り口は心地よかった。
でもまぁ、ボクとKくんには、相容れないことも少しはあった。それはお金の話かな。彼はお金を稼げないならば、それは正義ではないという信念を持っていた。ボクはお金は必要だけど、お金が稼げないものは仕事ではないか?といわれれば、それはNOだった。だって、それを認めてしまえば、すなわちボクは筆を折るしかなかったからだ。お金を稼ぐために絵を描くという気力が、ボクにはいまいちない。
Kくんはいつも言っていた。「ぽりりん(ボクのこと)のお絵かきがいつか役に立つときがくればいいな」と。
そうこうするうちに、ボクとKくんが何となく、会わなくなってしまった。今でも、ボクからKくんに声を掛ければ、会えるような気がするし、逆も然りである。ただ、声を掛けるほどのこともないなという感じがするだけだ。
思えば、そのようにして会わなくなっていく友人の多さに、今更ながらビックリすることがある。
そして、同じくらいの数、出会いがある。長く続く人もいるが、それきりの人もいる。
ボクは今、部屋を暗くしてウィスキーをのみながら、こんな文章を書いている。思い出とアルコールに酔う秋の夜である。ジャズなんかかけちゃったりしてね。
良い夜だな、と思う。
2021年9月29日
堀江和真