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ぼくの哲学

2016年06月10日
 最近、アンディーウォーホールの「ぼくの哲学」を読んでいる。まだ半分くらいしか読んでいないけれど、なかなかおもしろい。

 この本の中では彼のの性分とかそういうのを徒然に書いている。恋愛観とか時間のつぶし方とか、人の美しさについてとか……書いてる。けっこう共感できるところとか、めちゃくちゃなこと言ってるのに、妙に納得しちゃうとことかもあるんだけど、これはウォーホールの本心なのか、それとも時代の気分みたいなものをまぜこぜにして書いてるのか、そういうとこがよくわからない。
 ウォーホールは、絵画の構造やなんかにも真面目に取り組んでいたりもするっていう話とか作品の画像なんかも見せてもらったこともあるけれど、メディアとかではそんな素振りもみせなかったみたい。この本はどっちかっていうとウォーホールというアーティスト像をつくるために書いたものかも知れないし、ある程度は本音を書いたのかもしれない。でもまぁ今も続く現代の感覚っていうか、倦怠感っていうか、そういうのをお茶目に書いている。
 本人も本の中で書いているけれど、俳優さんやなんかは映像の中と実物で全然違っていてonとoffがある。演じている状態が虚像で、そのほかに実像がある。ウォーホールはこういう仕組みを、すごくうまく利用し名を馳せた人だと思う。だから、この本にしても虚像と実像がうまく把握できないまま読み進めている。ウォーホールの言っていることに心から共感なんかしたりすると、じつは彼は全然そんな風に思っていなくて心の中でニヤリとされていたりするんじゃないかっていう不安がつきまとう。そういう本。ドキドキ感がある(汗)

 まぁ、でもこの本が当時のアメリカでの気分みたいなのをよくとらえているって感じはする。そして、その時代の気分の中でウォーホールのアートは花開いたんだろうと思う。ボクとは全然違うなって感じ。日本では村上隆さんが近いなって思う。彼もやりたいことは似てると思う。でもお茶目じゃない。そこは全然違う。



                      堀江和真

SOGENさんのとこで

2016年06月01日
 先日、5月21日に都内で行われている書藝家の平野壮弦さん主催の書藝塾のアートクラスにて講師をさせていただきました。年に一回ずつで今年で3年目になります。普段は書を教えている場所なのですが、アートクラスに招かれる方は音楽家の方や建築に携わる方、デザイナーやイラストレーターなど、さまざまなジャンルの方が講師をしています。ずらりと並ぶ講師の面々はなかなか壮観ですよ。その中にあれれという感じで講師として参加させてもらっているのがボクです。まぁ、そのうち活躍する予定なので、いずれ見劣りしないようになるでしょー(笑)。

 さて、今回は「積む」というテーマでワークショップをしてきました。内容はごく簡単で段ボールのチップをたくさん使って、これを積み造形物をつくっていくといったものです。とても原始的な造形方法ですが、下から上に積んだ場合は3Dプリンターのようで現代の感覚に近いものもあるかもしれないなどとも思います。さて、ここでは一見、チップだけが積まれているように見えるかもしれませんが、積まれているのはそれだけではありません。積まれているのは、そのほかに作者の行為、時間、思考なども蓄積されています。そういうものも含めて、作業を単調にして作品に対して何を行っているのかが見る人にも伝わるように心がける。そういうメッセージをこめての講義をさせてもらいました。
 参加していただいた生徒の皆さん、すごく集中して作業していて、すごく良いお顔をなさっていたので、今回は大成功だ!と思いましたー。めでたしめでたし。

 さて、来年はなにをやろう?これからまた考えます。

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                         堀江和真