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似て非works

2020年12月16日
こんにちは。堀江和真です。ボクは絵を描いたり、作品をつくりながら、毎日を過ごしています。このブログでは、そんな日々で感じた事や起こったことを、のんびり綴っています

 さて、今回はボクが最近頻繁に一緒にプロジェクトをやっている似て非workrtについてと、ちょっと前までやっていた同プロジェクトの展覧会について書いてみようかな。

似て非worksは主に横浜を拠点に、アートワークを行なっている会社である。アーティストの稲吉稔さんと俳優の渡辺梓さんとで運営されている。その活動は多岐に渡っており、インスタレーションや演劇、街中のワークショップから、建物のリノベーションまでと幅が広い。
 似て非worksの特徴はその拠点にあると、ボクは思っている。10年前に元銀行であったビルを借り受けるところから似て非worksの名義のキャリアがスタートする。この場所をリノベーションし、アーティストを積極的に招いて様々なイベントを開催、原口典之氏などのスーパースターの個展も行っている。
 その後も、拠点を移動させながら、活動を継続。現在は関内の泰生ビルの一角と末吉町の古民家に拠点を移し、アートワークの発表や映像作品の制作を行なっている。
 ボクが似て非worksの稲吉さんと出会ったのは、ちょうど去年の今頃である。話を聞くうちに、その活動に興味を持つようになった。そのころ、末吉町のスペースは何度かイベントはしているものの、荷物や家具、書籍などが押し込められていて、機能していなかった。この場所をアートスペースとして、リノベーションして、何かできたらいいねという話はそこからはじまった。

 あれから一年が経つ。先月末吉町でボクが関わりはじめてから最初のイベントが行われた。似て非worksの10周年を記念した展覧会だ。古民家を利用したサイトスペシフィックな作品の展示は概ね好評だった。参加作家はボク堀江和真の他、足立真輝、稲吉稔、柏哲郎、三浦かおりの5人。コロナ禍に関わらず、たくさんの方に来場してもらえた。とりあえずは場所の紹介はできたって感じかな。これからどういう風に変わっていくのか、まだまだ、わからないけども、もうしばらくは似て非worksと何か面白いことができないか?と一緒に考えてやっていくつもり。

 気がつけば、もう年の瀬。うーむ......。



堀江和真

粗忽長屋

2020年12月09日
こんにちは。堀江和真です。ボクは絵を描いたり、作品をつくりながら、毎日を過ごしています。このブログでは、そんな日々の中で感じた事や起こったことを、のんびり綴っています

 さて、みなさんは、粗忽長屋という落語をご存知だろうか?それほど落語に詳しくないボクでも知っているくらいだから、けっこう有名なお題目なんじゃないかな。

 このお話は、とにかく、とんでもビックリ人間が出てくる。粗忽っていうのは、そそっかしいというくらいの意味合いなんだろうけど、まず常識では考えられないくらいのお話である。街中で、身元不明の死体をみた主人公がこの人に見覚えがないかと聞かれ、これは隣人だと言う。だけど、隣人は生きている。隣人は隣人で粗忽者だから、死んだのに気づかずに生きていると考えた主人公は隣家を訪ね、今日街でお前、死んでたよと伝えられ、隣人は仰天。あげく最後は信じてしまうという、こんな感じ。単なる人違いも粗忽者にかかれば、この通りである。

 正直、笑いを超えて、なんだか気分が悪くなってくるようなお話である。でも、ボクは何を隠そう、この話に、勇気をもらい続けてきた男である。ついこの間まで働いていたバイトの職場の社長が粗忽長屋のスケールをひとまわりかふたまわり小さくしたような人物だったからだ。これは現実の世界ではかなりつらい。でも、粗忽長屋のお話を思い出すと、なんだか落語の中の事柄のようで、なかなかに面白い。面白がられた本人は当然気分が悪い。だからか分からないけど日に日に、粗忽パワーは増していき、どんどんおかしな事になってきた。これはダリの撮ったシュールレアリスムの映像か?ジョンレノンの夢の再現映像か?不思議の国のアリスのお茶会か何かか?そのようにして、面白いを超えて、次第に気分が悪くなってきた。

 ボクは信じられないことに、ここで3年間働いた。ボクがそうやってヘラヘラしている間に実に20人もの社員やアルバイトが辞めていった。社員が10人に満たない会社で、この辞職のスピードは驚異のものだと思う。そうやって登場人物がくるくる変わっていくところも、ボクにとっては飽きがこなくて良かったのかもしれない。

 まぁ、しかし、コロナに包まれた2020年もおわりを告げようとしている。そろそろ、まどろっこしい悪夢から醒めても良い頃合いじゃない?ということで先日退社してきた。

ネクストだ。ネクスト行こう



堀江和真