こんにちは。堀江和真です。ボクは絵を描いたり、作品をつくりながら、毎日を過ごしています。このブログでは、そんな日々で感じた事や起こったことを、のんびり綴っています。
...先日行ってきました。大人気の展覧会「ゲルハルト.リヒター展」。現在も国立近代美術館にて開催中である。
リヒターは現役のペインターとしては、その作品が、最も高い評価と価格で、他を圧倒する存在であり、こんなボクでも一度は実物を拝みたいと思う作品を描くアーティストの1人である。
絵画と写真のそれぞれの特性を交叉させ、さまざまな思考実験をもとにペインティングをする作家として知られている。多分多くのアーティストはこのリヒターの仕事を十分に理解していることであろう。
しかし、あえて言うが、ボクはよくわかっていない。本を何冊か読んだが、部分的に理解したと思うと、すぐに忘れてしまうというのの、繰り返しだ。
リヒターのインタビューやメモを主軸にした本、「絵画論 写真論」をめくれば、示唆に富んだヒントがたくさん転がっている。しかし、これらはそれぞれ年代の違うリヒターの発言をまとめたものだ。そこには当然、理論の再考があり、一本のロジックとして全体をみたとき矛盾が生じてくる。意図を十分に汲めてないうえに、年代別の発言と作品もうまくリンクできない。リヒターの作品は鮮やかな色彩のアブストラクトペインティングなどで一般の方にも大変人気だが、ボクにとっては、なんだかよくわからないことが多すぎて混乱するばかりである。
加えて、展覧会を見終わったあとの空虚な気持ち。これは一体なんだろう?
後日、同じスタジオを使うアーティストに感想の共有をしてみたところ、空虚さはリヒターをはじめとしたコンセプチュアルアートの一つの特性だし、空虚だからと言って、それが悪いわけじゃないとのことだった。
言われてみて、たしかになーと思った。けれど、ボクの魂は潤いを求めているんだよな。とほほ。
堀江和真