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35歳

2016年04月22日
 35歳になりました。それ以上でもそれ以下でもなく、ただそれだけのことなのかもしれませんが、いやぁーなんか結構いい歳になったなぁと思うのです。

 周囲の作家たちは次々と活躍の場を増やし、世界のアートフェアやすごい人だと美術館での個展なども実現させています。ボクはというと、どうか?個展もなかなか決まらず、黙々と毎日アトリエに行き、もくもくと考え、もくもくと制作しています。モクモクと不安がよぎることもないではありません。

 でも、ボクはこうして毎日、自分の作品とその未来に向き合って暮らしている。それは本当に誰のためにもなっていないのかもしれない。でもボクのためにはなっている。何か学問を追及するものとっては、こういうある種のうまみこそが何よりの喜びであるのだろう?と思うこともあります。
 それでも、やはり自分の作品と名前をその歴史に刻みたい。人々から称賛され、尊敬を集めたい。こういう欲求はあります。それが人の嵯峨というものでしょう。

 今ボクの小さな世界は相模原という街のうらぶれた工場跡の一角にあるアトリエで作品を制作する行為によって成立しているわけですが、それですらとても深淵で自分でもうまく把握できないほどです。やりたい事はたくさんある。でもほんの少しずつしか進めない。しかも蛇行を繰り返している。

 そういう日々の中でボクは35歳になった。うーむ、なんともいえない(笑)



                       堀江和真