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手について

2016年12月23日
 こんにちは。堀江和真です。

 今日は自分の手について書いてみようと思う。……ボクの手は、一般的にはあまり美しいとはいえないものらしい。世の中には手フェチの女性の方が多いらしいが、残念ながらそういう女性からはきっと称賛されないことは請け合いである。

 ボクの手の特徴はまず丸い。肉付きがよくずんぐりしていて、指はあまり長くなく、けっこう太い。最近は一層この傾向が強くなってきた。爪はいつも短くしている。右手の薬指の爪はいつも真っ二つに割れている。これは幼少期に自転車の車輪の中に指を巻き込み、ほとんど切断してしまったときの後遺症で爪が半分薄くしか生えてこなくなってしまったためだ。ラッキーなことにその後なんとかくっついた指はすくすくと育ち、そのほかには何も問題なく機能している。ずんぐりしていて、しゅっとしている要素がない手だが、決して不潔というわけではない。毛深いわけでもないし、汚れているわけでもない。友人からは豚足などと言われてからかわれることもある。

 とここまで、書いておいてなんだが、ボクは自分の手が割合好きである。おそらくモノづくりをしていなければ、ここまでずんぐりしてはいなかっただろう。毎日、モノを描いたり、つくったり、子どもたちに工作や絵画を教えるために毎日酷使している手である。毎日、この手で暮らしている。愛着が湧かないわけがない。女性にもてないのなんてかまうもんかと思う。第一、もてない要素は手なんか問題にならないほど、他にもたくさんあるだろう。

 とはいえ、苦い思い出もある。中学校のころに美術の中間テストが手のデッサンだったことがある。このとき、自分の手を描いたら、ものすごく悪い点数を告げられた。そして、そこには「こんなに抑揚のないのっぺりした手はない」と書いてあった。ボクは先生のところに行って、ここにありますと手を見せたところ、「それは運が悪かったわね」と一笑されて終いとされてしまった。

 とにかく、ボクはこの手でこれからも生きていくし、ずっと愛していこうと思っている。とはいえ、最近、指ヨガなるものを毎日の習慣にしている。これで少しはスリムになるかなと、ほくそえんでいる。先日弟に「どぉ、この手、ちょっとしゅっとしてきたかな?」と弟にみせたら、「兄貴の手ってこんなにむくんでたっけ?」と返されてしまった(笑)

いやはや、いやはや




 高橋龍太郎氏著の「現代アートコレクター」という本を読んだ。氏は日本ではとても有名なコレクターである。その美術コレクションは主に、日本の現代アートで、これは本格的なコレクターの中ではちょっと珍しい。なぜなら現在世界のアートシーンはヨーロッパやアメリカがメインで、日本の美術はこれにほとんど参加できていないからである。日本のコレクターだって大がかりなものとなると、どうしても海外の作家をメインで収集することになる。
 そんな中、氏は日本のアートは世界一だといってはばからない。この本には、そんな熱い思いが込められている。

 ボクの感想はといえば、高橋氏がどんな人物で、どうやってコレクションをしていったかというような経緯が知れてよかった。少し興味があったので、その好奇心が満たされた。そしてボクにもこんな風に作品を応援してもらえる方がいたら、どんなにか幸せだろうかと思った。
 彼は自分がコレクションしている作家ともきちんと交流をしていて、その一人一人を愛している感じがする。そしてその仕事も理解しようと努力をしている。コレクターといっても色々な方がいる。みんながみんな作家にとってありがたいコレクターばかりではないと思う。詳しく書くのはやめておくけれど。

 ボクの場合、まだまだ市場にも出ていけてないし、作品をつくりながら日々精進するしかないわけだけど、やっぱりビックコレクターと共にアートシーンを駆け抜けていくというのは一つの夢だなぁと思うわけです。この本は、そんな夢をちょっとだけ駆り立てられる本かなぁ。



                   堀江和真