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 こんにちは。堀江和真です。いやはや、ゴールデンウィークである。今年のゴールデンウィークはボクにとっては去年よりはいくらかマシ。

 去年はゴールデンウィークの初日に丸鋸で指の側面の皮を跳ね飛ばし、いきなり流血騒ぎ(今は治りました。指も無事です)。当時つきあっていた彼女からは予定を全部キャンセルされてやることもなく、何だか悶々としていた。その上、親しくしていたいた方も亡くなり、色々と考えさせられるゴールデンウィークではあった。

 今年はどうだろうか?毎日単調な生活を送っている。朝は制作。散歩をして、昼は読書と雑用。夜は映画とか観て過ごしている。思えばゴールデンウィークなんてものをちゃんと過ごせるようになったのも、大学を卒業してからというもの、ここ2、3年くらいじゃないかと思う。大学を卒業してからは販売職の仕事をしていたから、むしろ繁忙期といえて、毎回毎回連休とかっていうと嫌だなと思っていた。売り上げの目標は上げられ、仕事時間も増え、お客さんも増える。身体は疲れるばかりで、だからといって給料が増えるわけでもない。

 会社員をやめたのはもう7年も前のことだけど、子ども教室をはじめたので、祝日だからといって休むわけでもなく、ゴールデンウィークだって開けていた。けど会社員のころと比べれば天国みたいに楽ちんな感じではある。今年は例外的に閉めざるを得ない状況で、強制的に休みといった感じで、完全にオフのゴールデンウィークを過ごしている。完全にオフというのは今から10年ぶりくらいじゃないかな。

 10年前は何があったかっていうと、10年前のボクは自主的なニート生活をしていた。それまで働いていた画材屋の会社員を辞めて、1年間何もせず、ぼんやり過ごすと決めた。何をやりたかったっていうと、組織に属さないということをやってみたかった。幼稚園以来、何かしら大きな団体に所属をしてきた人生であった。小学生なら小学校、大学生なら大学、会社員なら会社……そういったものに属さないでいたかった。そういう期間が当時のボクには必要なような気がしたのだ。貯金も少しあったし、当時は実家にいたので、毎日無所属の生活を謳歌していた。それで一体何をしていたかっていうと、これが大したことはしていない。毎朝、喫茶店に行き、珈琲を飲んで新聞を読んで、あとは予定が何もない……そんな毎日であった。だから今、不要不急の外出は避けるようになんていっているけど、当時のボクなんか自粛という意味ではめちゃくちゃ優秀だったんじゃないかな。喫茶店は行ってたけど。ゴールデンウィークの記憶はないけど、まぁとくに何もしなかったんじゃないかな。だって、当時は何百連休みたいな感じだったから。

 はてさて、来年のゴールデンウィークはそうしているのかな?何も予定なしでもいいけど、マスクとかしないで、どこにでも行けるけど、行かないって感じの休みがいいな。



堀江和真

近況

2020年05月01日
 こんにちは。堀江和真です。

 先日4月19日で39歳になりました。おかげさまで健康そのもので、大きなストレスをかかえることもなく誕生日を迎えることができた。

 このことは普段なら、ありがたがるようなこともなかったかもしれない。ただし、新型コロナウィルスによって、緊急事態宣言が出てからというもの、社会は勢いを失ってしまった。この状況下においては、かなりハッピーなことなのだろうと思う。
 業種にもよるが、本当に仕事が一切止まってしまって、出費だけがかさむばかりで、どんどん追い込まれていく人たちもいる。ボクも子どもたちに向けて開いている絵画造形教室をストップせざるを得なかった。ただ、教室は実家のスペースを無償で使わせてもらっているので、収入はなくなるけど、大きなダメージは受けずに済んでいる。もう一つ小遣いかせぎで行っているアルバイト先が、止まらず何とか稼働してくれているため、そちらの方の収入で、なんとかジリ貧ではあるが、暮らしていけている。それでも、少しずつ貯金を切り崩していくことにはなるので、この先長期でこんなことが続くと資金面での体力が持たない。それでも、まぁ何とかなるかなぁという気分ではある。
 
 アルバイト先の看板屋さんは、かなりの窮地であるだろう。従業員への給料や工場の維持費は捻出しなきゃいけないのに、仕事の見通しがきかない。中小企業だから、資金面における体力に余裕があるわけがない。その不安たるや凄まじいものがあるだろう。それなのに、会社に依存している会社員たちは「なぜ仕事をしなくてはいけないのか?自粛させるのが会社の義務ではないのか?」と気軽に言う。こんなとき社長が全責任も持って活路を見出すのが義務だっていうのはそうなんだろうけど、こんな時期くらいは少しはフォローしてあげればいいのにと思わないでもない。といって、バイトのボクがでしゃばるでもなく、いつも通りの仕事をするだけなんだけど。ボクも一応、教室の運営をやっているから、見通しがきかないことの不安とかはある。世の中の人がみんな不景気になったら、通ってくれる生徒さんだって減るであろう。そういうことを考えると、きらきらの希望を見出すのは難しい。アーティストとしてもそうだ。ギャラリーなどと組んで飛躍のチャンスをつかもうと思っていても、そのギャラリーがつぶれてしまえば、仕事自体がなくなってしまう。ただでさえ、狭い日本の美術の市場はこの先、絶対にもっともっと狭くなることは請け合いである。

 でもまぁボクは元気であり無事歳を重ねることができた。まずはそのことを素直に喜びたい。自粛で自宅に缶詰の方も多く、気が滅入っている方も多いと聞くが、ボクは自宅のほかに、子ども教室と制作用のシェアスタジオが近距離にあるので、そこに行って大掃除をしたり、工作のサンプルをつくったり、作品をつくったりしている。教室はいつ再開できるかは不明だが、その他のことは概ね変わらずに動けている。お金はない、女の子にモテない、有名でもない、才能があるかもわからない。先の見えない毎日なんていうけど、そんなのボクの場合はいつものことだし、慣れっこといえば、慣れっこではある。もちろん、たくさん恵まれている部分があってのこの発言ではあるんだけどね。

 アーティストっていうのは色々なタイプがいるけれど、ボク自身は業がゆえに動いているタイプなんだと思っている。つまり、描かずにはいられない、作らずにはいられない。だからやる。それだけのことなんだと思う。有名になって金持ちになりたいなぁと思わないでもないけれど、そうなれないならやらないかって言われたら、そんなことはない。ボクは自分なりの美術ってものをこれからも続けていくんだと思う。もちろん身体が健康でいられればってことだけども。




 堀江和真