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カギボスライブ

2017年06月21日
 こんにちは。堀江和真です。

 昨日はここ2か月お世話になっていたBankartでのレジデンスの撤収をしてきた。結構たくさんのアーティストと最後に話をすることができてうれしかった。また、その際に近々で再開を約束することも少なくなかった。スケジュールも確認しあって話も具体的にしていく。そうしないといつの間にか縁というのは消えてしまうものだから。

 さて、今回はこのレジデンスのオープンスタジオ期間中、6月11日に企画した「カギボスライブ」について。
 カギボスというのは、ボクの友人の2人組のミュージシャンで嘉義さん中家さんの二人からなる歌うたいのユニットである。独特のしゃがれ声が魅力的なボーカルギターの嘉義さん、ピアノ、ピアニカ、ボンゴなどの打楽器、民族楽器など様々な楽器をつかいこなし、歌も歌えるボスこと中家さん。ボクの大好きなミュージシャンでもあり友人でもある。東日本大震災のイベントをきっかけに仲良くなった二人とは彼是5年のつきあいになる。以前にもこのブログで書いたのだけれど、彼らのCDのジャケットなども描かせてもらう予定で、2人からもボクの作品は気に入ってもらえているようである。

 以前からボクの作品のある空間で二人のライブを企画したいと思っていたボクは今回のBankartが非常にロケーションが良いこともあり思い切ってお願いしてみることにした。簡単な打ち合わせをしながら迎えた当日。ボクも含め3人ともアーティスト活動が忙しい時期と重なって、けっこうグロッキーな感じになりつつも準備をすすめ、15時から開いたライブは大盛況だった。50分もの長丁場だったもののお客さんたちはどんどん膨らみ、また途中で他のスペースに移る人も少なかった。この展開にはボク自身も驚いた。また周囲で発表していたアーティストのスペースにまで観客が座りこんで聴いていたりで、普通なら怒られるような状況だったが、みなさんとても優しくて誰も不機嫌にもならず一緒に音楽を聴いてもらえた。正確とはいえないけれど、大体60人ほどの方に聴いてもらった。

 想像以上にうまくいったこのライブ。もちろんカギボスの歌がよかったからこうなったわけだけれど、ボクはほっとした。やはりゲストを迎えて、そのゲストがつまらない思いをして帰るよりは、楽しかったといってもらえたほうが断然うれしい。この間、ボクの作品はミュージシャンの背景となるわけで、作品は空間を構成する舞台装置となるわけだけど、以前なら作品をもっとみてもらいたかったと思うところだけど、今回はなんとなく一体となっているような気がしてうれしかった。

 ライブ終了後、3人とその場にいた友人、弟とその彼女と会場に面している海を眺めながら飲んだビールがなんとうまかったことか!!とても幸せな一日だった。

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BankArt AIR 2017

2017年06月19日
こんにちは、堀江和真です。もう初夏ですね。今日はなんともさわやかな晴天で気分がいいです。

 さて、ボク堀江は、昨日まで横浜にあるBakArtにて、レジデンスに参加していました。4月10日から制作をはじめて、その制作の現場と作品を6月11日から昨日6月18日まで公開していました。

 この2か月……どうだったかというと、まずはとても楽しかったということ。同じプログラムに参加していた他の42組のアーティストと交流をはかりながらの制作で、毎回自分が滞在しているときにはコーヒーを淹れて周囲のアーティストと簡単なティータイムの場をつくっておしゃべりをした。その際、色々な話をした。思ったのはミンナそれぞれだということ。ボクの場合は相模原に拠点を置くアーティストの中で毎回同じようなメンバーと顔を合わせて話していた。あとは美術書を読んだりして自分なりのスタイルをつくっていこうと思い試行錯誤していた。そして、そんなわけないと今ならいえるけれど、それだけが正しい進みかたなんだと思いこんでいたようなところがある。閉鎖的だった考え方が開いてくると、楽しくなってくるというような気もするけれど、実際は結構混乱した。数年がかりで取り組んできたことに疑問が生じたといってもいい。かといってボクはすぐにスタイルを変えるほど器用ではない。数年かけて少し変わるかもしれない。でも、そういう風に変化していくことこそが大切なのだと思う。だって、ボクは変わっていくことを望んでいるし、そうすることでしか絵描きなんて続けていけないからだ。

前にも書いたかもしれないが、このBankart Airはボクは2度目の参加になる。一回目はよくわからないけれど、夢中に絵を描いた。そして現代アートの作家さんと出会い、ちょっと洗礼を受ける。あれから6年が過ぎ、2度目の参加になったのだけれど、自分はこのプログラムの中で通用するようなアーティストになったのかな?というと、まだまだだなって気がした。今の自分ではまだまだ見劣りしてしまうような作家が何人もいた。こういうのは楽しい。わくわくする。色々な話がきけるし、学ぶことも多い。それでいて誠実な人が多かったから、人間性でも叶わないとなると本当に頑張らなきゃってなる。それからキャリアをスタートしたばかりのアーティストのまっすぐな作品やお話しにもけっこう感動したりして、これも学ぶことが多かった。

 学ぶことや刺激の多い2か月だったけど、最後に言いたいのは、ほっとしたということ。最後の日はちょっとはやめに行って、自分だけのためにコーヒーを濃いめに入れて、テラスから横浜の風景を眺めながらぼんやりと思ったのは、やっぱりコーヒーって一人で淹れて一人で黙って飲むのがボクには似合ってるなってこと。ずっとそうして一人で飲んで、それから一人で制作をしてきた。ずっとそうしてきた。だからこの2か月はスペシャルなことだった。ボクはまたいつもの相模原のうらぶれた工場跡のスタジオで数人のアーティストとスペースを共有しつつも基本的には一人きりで制作をすることになる。楽しかったけど、やっぱりボクはそれがお似合いなんだ。…そう思う。
 明日bankartで搬出を終えたらあとはまた以前の通りになる。でも、学んだことや感じたこと、思い出、それから知り合えたご縁は消えない。だけど、また一人きりにはなる。ちょっと感傷的になっちまった。それだけ楽しかったってことかな(笑)

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堀江和真