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3331アートフェア

2020年04月14日
 こんにちは。堀江和真です。

 先日、3月の半ばあたりだったかな?

 東京都の秋葉原らへん、末広町の駅の近く、アーツ千代田3331のアートフェアに行ってきた。フェアの参加ギャラリーであり、同施設にギャラリーを構えるGALLERY OUT of PLACEの野村さんに招待券をいただき、観に行くことができた。この時期はすでに新型コロナは猛威をふるっており、アート系のイベントは軒並み中止になっており、このイベントも中止になるのだろうというのが大方の周囲の予想だったのではないか?と思う。でも開催した。

 会場は完全予約制で人数制限があり、チケットを持っていても予約がなければ入場ができないという。今までに経験したことのないものだった。会場に入るやいなや体温のチェックをされ、やっと入場することができた。

 平日だったということもあって、お客さんがあまりいない。むしろ閑散としているといってもいい状態であった。作品はゆっくりとみることができた。いくつか、良いなと思う作品と出会うこともできた。展示の構成も丁寧だったし、美術館とは違うので作品の値段もその場でわかる。有名な作家でも割と手の届く値段であったりすると、ちょっとほしくなってしまったりして、そういうのがいつもの美術鑑賞とは違う点なのかもしれない。

 当日はOUT of PLACEのみなさんとも、ゆっくり話すことができて良かったと思う。

 新型コロナの件がなければ会場は大賑わいで、人もワイワイと盛り上がっていたことだろう。この時期のあらゆるアートイベントに合わせて、準備をすすめてきたアーティストやギャラリスト、キュレーターは、さぞ無念であろう。でも、少なくともボクの前で、肩を落とし愚痴をこぼす人はいなかった。ボクだったら、盛大に愚痴ってトグロを巻いていたことだろう。

 2020年、何となく響きが良いから、今年は躍進の年にしてやろう、というのがボクの気分だった。おそらく、こういう単純な気分でいた人は多かったのではないだろうか?でも、今のところ思うのは、今年はもう駄目だという気分である。アートだけじゃない。あらゆるものが、今年は低調に進むだろうという気がする。

 先の見えない毎日……アートフェアに行ってから1月が経とうとしているが、自体はより悪化している。あくまで前向きに生きていこうっていう力強い声もメディアを通して聞こえてはくる。でも、みんなそんなに強くはないから、どうしても気持ちが鬱屈としてくる。

 ボクはどうか?ボクはいつものボクだ。作品をつくっている。どこに発表しようということもなしに、ただつくっている。気持ちはそんなに落ち込んでいない。まだ、落ち込んでいない。

 先週、政府から緊急事態宣言をうけて、いよいよ自粛ムードである。ボクはといえば作品をつくっている。

 ただ、つくっている。



 堀江和真

 こんにちは。堀江和真です。いつも、あまり美術に関係ないことばかり、ブログに書いてしまっていますが、一応アーティストです。毎日、作品を制作して、色々なことに思いを巡らせ、美術書などを開いては勉強もしているのです。

 そして、今日もブログには、どうでもいいことを書く。これは去年の話である。11月とかだったかな?よく覚えていないが……。

 ボクは相模原にある築30年は超えているであろう3階建てのマンションの2階に住んでいる。家賃は3万5000円と都内に住んでいる方からしたら、「安っ」とツッコミが入りそうな値段である。しかし、ボクとしてはこれでも奮発したほうである。そして、なかなか住み心地もよろしい。そして、この場所で事件は起こった。

 この日も、いつものように、家を出て、スタジオに出かけようとドアをあけると、一人の小太りの男の人が所在なげにたっている。みるからに怪しいひげ面の中年である。ボクとしては、とくにこの人に用はないので、なるべく目を合わせないようにすまそうと思って、歩きはじめたときに「あの~」と声を掛けられる。ボクってやつは無視すればいいのに、声をかけられたら、「はい」と答えてしまう性分である。やれやれと思いながら、「なんですか?」と聞いてみる。

 その男性は次のように語り出した。以下かなりあいまいではあるが会話を再現してみよう。

男  「実は財布を落としてしまいまして、今月の給料をすべてなくしてしまいました。そこで2000円お借りしたいのです。自分はあなたと同じマンションに住んでいるものです。免許書がここにあります。ご確認いただいて、なんとか2000円おかりしたいのです。」

ボク 「……いやいやいや、無理です。というか2000円で何をするんです?(お財布を落としたのになぜ免許書を持っているのかな?とも思った。)」

男 「2000円をつかって、スーパーでカップ麺を買えるだけ買って、今月をなんとかやりすごそうかと思っています。どうしても駄目ですか?」

ボク 「うーん。ボクはけっこう低所得なんですよ。ボクのお財布には2000円なんてお金入ってないですよ。」

男  「本当ですか?2000円もないのですか?」

ボク 「ないです。」

男 「……」

ボク 「……あっ、でもこの前大量に買ったものの飽きてしまったタイカレー味のラーメンなら15食分ありますよ。お困りでしたら、それをあげましょう。この際味なんてどうでもいいじゃないですか。飢えることはありません。」

男 「……現金じゃダメですか?」

ボク「えっ、でもそれでカップ麺を買うのなら一緒ですよね?」

男 「そうですけど……」


 とまぁ、大体こんな感じの会話であった。男性はしぶしぶ大量のタイカレー味のらーめんをかかえて、部屋に戻っていった。ボクはこれをみて❔(ハテナ)と思ったものである。食べ物をゲットしたのだからうれしいはずなのにな、と。

 あとで、バイト先の仲間に、この話をすると、「そんなのパチンコとかそういうのに、行きたかったからお金が欲しかったに決まってるじゃん。」と笑われてしまった。それを聞いてなるほど、そうかもしれないなと合点がいった。もし、本当にそうだったとしたら、2000円男からすると、ボクは盛大に空気の読めないやつということになるのだろう。

 今でも、この男の人とは、ごくまれにすれ違う。挨拶をしても知らんぷりである。タイカレー味のラーメンはお気に召さなかったのかな?




 堀江和真
 
 

2020年04月05日
 こんにちは。堀江和真です。

 今朝、夢を見た。真っ白い空間で窓があって、光がふわーって入ってて、白くて大きいベットがあって、自分がいて、やっぱり白い服を着て、ベットに腰かけているっていう。そのうち、たくさんの友人が来て、大好きだった女の子とかも来て、手を握ってくれたりして……。何をしゃべっているのかわからないけど、みんな朗らかに笑っていたりして、なかなか雰囲気がいい。ボクは死ぬだろうか?それとも何か祝福をされているのだろうか?よくわからないが、心が安らぐ。そんな夢だった。

 現実世界はどうだろうか?新型コロナの騒ぎで、世の中は全然ハッピーな感じではない。ボクはありがたいことに、今のところ、あまり影響もなく普通の暮らしが続いている。

 多分、今朝みた夢のような出来事を現実で再現することは難しいだろう。それくらい圧倒的な幸福感があった。朝起きて、すごく幸せな気持ちになった。でも、その片鱗ともいえるようなものは日常にあふれている。それらを一時に味わうことはできないが、毎日少しずつ受け取ることはできるだろう。

 今月の19日で、ボクは39歳になる。もう40歳も目前だ。

 今、ボクは何をすべきだろうか?

 作品をつくること、これはいわば業だ。やらずにはいられない衝動のようなものだ。それだけじゃ、ダメな気がする。それだけで終わってしまったら、それはいわば修羅でしかなく、救いがない。

 ボクにできること、それを考えて、ちゃんと誰かを楽しませる。

 そんなことを思った。願わくば、毎日がこの先も当たり前に続けばいいと思う。




 堀江和真