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創造力なき日本

 こんにちは。堀江和真です。村上隆さんの本「創造力なき日本」という本をブックオフの100円コーナーで発見したので読んでみました。美術に関する本で興味のあるものが100円で手に入ることはあまりないので、ちょっとだけ、ほくほくしながら読みました。

 村上さんといえば、自身は世界的なアーティストでありながら、カイカイキキというアーティスト集団を運営している方としてしられている。またカイカイキキにおいては、その厳しい教育スタイルで次々に人が去っていくことが知られている。この本ではアーティストとしてやっていくにはどうあるべきか?というようなことを淡々と語っているけれど、書いてあることはいたってまともだなと感じた。
 例えば、あいさつを徹底する、報告書を描かせる、体力をつけなさい、計画を立てなさい、予算の管理を徹底しなさいといったこと……こういうのは普通の社会人とは変わらない。当たり前のことを当たり前のようにやるっていうことなんだけど、ここからわざわざ本に書かなくちゃいけないと思っている村上さんの気持ちはすごく絶望的なんだろうなぁって思ってしまう。
 あと、ちょっとなるほどって思ったところだと、アーティストは社会のヒエラルキーの中でもっとも下だと認識するべきだといっていたこと。アーティストは特別だとかそんなことを言って偉そうにしてても売れない。媚びを売ってでも、とにかく作品を世に広めていく。そういう感覚がなければやめたほうがいいという点とかは、色々考えさせられた。でもサービスの仕事をしている人で一流の人っていうのはどこまでも謙虚で、ここまでへりくだってはいないけど似たようなものがあるなって思う。赤塚不二夫さんも「自分なんて最低だって思っていればいいんだよ」というようなことを言っていたと本に書いてあったのを思い出した。
 
 色々とけっこうまともなことが書いてあってなんとなくつまらないなぁという点はあったものの、全体的にいって良書だと思った。村上さんは絵が上手でない、才能もない、でも絵を描きたいという境遇で行きついたのが現代アートの世界だといっていた。だから、同じような人に道しるべをつくってあげたいとも語っていた。これはとんだ謙遜だと思ったけど、なんとなくいい人なのかな?と思ったりもした。まぁ実際会いたいかっていうと、うーんて感じだけど。



 堀江和真

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